ダイス



「どんな理由?」


紗江子が訊くと、明良は眉をぴくりと動かした。


「聞いても理解出来ないだろうから言わない」


明良は漸く顔を上げて言った。


「……今、新たな《ダイス殺人事件》の犯人を探してる。貴方も、探してるよね?」


紗江子は質問を変えて明良の顔を見た。


明良はそれに頷く。


「なら、貴方の知っている情報を教えて。こっちも教えるから」


恋愛なんて、甘い感情を保ち続けることは出来ない。


結局自分は、恋愛よりも仕事を取るのだ。


そしてそれは、相手が殺人犯だから。







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