ダイス
「新井とは何処で知り合ったの?」
「前の職場。日雇いで来てて、寮には入ってなかった」
保険証も何も必要のない職場。
やはり考えは当たっていた。
当たっていたというよりは、それしかないといったほうが正しいのだが。
「知り合ったのはいつ?」
こんなふうに質問をしていると、自分が刑事であると自覚出来るし、何よりそういった気持ちで明良と接することが出来る。
紗江子は鞄からメモを取り出し、明良から聞いた事柄を書き留めていった。
「半年くらい前だよ」
明良は意外にも素直に答えていく。
それは自分のことを訊かれているわけではないからだろうか。
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