ダイス



「賽子を置く意味……。意味、か……」


紗江子は独り言を呟きながら帰路についた。


賽子を使う遊びなど、双六しか思い付かない。


若しくは賭博。


そしてそのどちらも殺人とは何の関係もない。


いや、もしかしたら何かしら繋がるものがあるが自分の推理では辿り着けないだけか。


そしてその賽子は手作りだということ。


それは単に入手経路から自分を割り出せないようにするだけなのか。


それとも手作りだということにも意味はあるのか。


「うーん……」


捜査に関わるとどうしても独り言が増えてしまうが、それは癖のようなもので直そうとして直るものではない。


「意味……意味」


何の答えも導き出せないのは情報が少ないからか。



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