ダイス



それぞれ出ていた賽子の目はばらばらだった。


十年前も、今回も。


その目にも何か意味が含まれているのか。


猟奇殺人だとしてもそこに意味がある可能性は高い。


でも、その意味は見付けられない。


習ったことを答えるテストではないのだから当たり前か。


紗江子は溜め息を吐いて頭の中を一度空にした。


次々考えを浮かべると逆に頭の中が混乱してしまう。


なら一度すっきりさせたほうが効率がいい。


「いった……」


その声と衝撃に紗江子は思わず足を止めた。


頭を整理する為にどうやら一瞬目を閉じていたようだ。




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