ダイス



夏も終わりだというのに、暑さは一向に引かない。


だが丁度木陰に立っているので焼けるような暑さはない。


「……ごめんなさい。変なことで呼び出して」


雪音は深く頭を下げて、踵を返した。


やはりそこに色を感じることはない。


色をなくしていく世界はあまりに滑稽なんだ。



誰かと寄り添うことでそうなるなら、特に。



深水は大きく息を吐いてから、公園を立ち去った。








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