ダイス



「三者三様、てわけか」


深水は全員の意見を聞いてからそう言った。


「よし、それぞれ思う方向で情報収集してこい。どんな手を使っても構わない。自分達の出来る方法でやってくれ」


深水はぱん、と手を叩いた。


「過去のダイスと、今回のダイスの類似捜査は俺が引き続きやる。だから、管理官に見付からない範囲で好きにやってくれ」


本来、こそこそと動くのは好きではない。


ただ今回ばかりはそうも言っていられない。


大っぴらに動けば、その動きは直ぐに封じられてしまうだろう。


紗江子は自分に出来る方法を必死に考えた。


それは蓮も紘奈も同じようだった。


犯人を見付けるのは自分達だ。


そう強く決めて、やれることをやる。


紗江子は拳を強く握った。




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