冷たいアナタの愛し方
数日後、リヴィかオリビアを選べと二者一択を迫られたジェラールは、シャツを捲って傷口を確認してすっかり塞がったことを確認してからとうとう動きを見せた。
ルーサーからハルヴァニアと蛮族の巣の長が同時期にガレリアにやって来るかもしれないという話を聞いてから、ガレリアが危機に追い込まれるかもしれないことを憂慮してこちらから動くしかないと考えた。
「おい、ウェルシュは今どこに居る?」
「えーと…今日はコロシアムで試合の観戦だったかな。どうしたの?」
「これから城へ行ってハーマンや官僚共と会議をする。その後コロシアムへ行って王位の権利を放棄するようにウェルシュと話をする」
オリビアはルーサーが持ち込んでいた料理本を熟読していたし、ルーサーはシルバーの遊び相手になっていたらしくボールを手に階段を半分降りたところで立ちどまっているジェラールを見上げた。
だがそこで思いもよらぬ反応が。
「ウェルシュに会いに行くの?コロシアムっ?あ、あの…私も一緒に行っていい?」
「…お前は必要ない。ここでシルバーの遊び相手をしてろ」
「いやよ。連れて行ってくれないとここから逃亡してやるんだから」
最近は言い合いをする回数も減っていたのだが、相変わらず強気で時々脅しもかけてくるようになったオリビアにほとほとあきれ果てたジェラールがため息をついてルーサーに助けを求めたが…
「うん、いいんじゃないかな。コロシアムは観光地でもあるし、ついでにそこにウェルシュも居るのなら一石二鳥でしょ。どうせ特別席に居るんだろうから密談をするには持ってこいだしね。君がいやっていうのなら僕が連れて行っても…」
「いい。俺が連れて行く」
やけにきっぱりとルーサーの申し出を断ったジェラールは、階段を降り切ってからオリビアにコロシアムのルールを聞かせた。
「特別席は男も女も正装だ。お前ドレスなんか持ってないだろうが」
「持ってないけど…どうしたらいいの?」
「…ルーサー、用意してやれ」
「はいはい」
――ドレスを着るのは久しぶりのこと。
瞳を輝かせたオリビアの喜びを感じ取ったシルバーは、身体が左右に大きくぶれるまで尻尾を振りまくってオリビアの顔をぺろぺろ舐めた。
ルーサーからハルヴァニアと蛮族の巣の長が同時期にガレリアにやって来るかもしれないという話を聞いてから、ガレリアが危機に追い込まれるかもしれないことを憂慮してこちらから動くしかないと考えた。
「おい、ウェルシュは今どこに居る?」
「えーと…今日はコロシアムで試合の観戦だったかな。どうしたの?」
「これから城へ行ってハーマンや官僚共と会議をする。その後コロシアムへ行って王位の権利を放棄するようにウェルシュと話をする」
オリビアはルーサーが持ち込んでいた料理本を熟読していたし、ルーサーはシルバーの遊び相手になっていたらしくボールを手に階段を半分降りたところで立ちどまっているジェラールを見上げた。
だがそこで思いもよらぬ反応が。
「ウェルシュに会いに行くの?コロシアムっ?あ、あの…私も一緒に行っていい?」
「…お前は必要ない。ここでシルバーの遊び相手をしてろ」
「いやよ。連れて行ってくれないとここから逃亡してやるんだから」
最近は言い合いをする回数も減っていたのだが、相変わらず強気で時々脅しもかけてくるようになったオリビアにほとほとあきれ果てたジェラールがため息をついてルーサーに助けを求めたが…
「うん、いいんじゃないかな。コロシアムは観光地でもあるし、ついでにそこにウェルシュも居るのなら一石二鳥でしょ。どうせ特別席に居るんだろうから密談をするには持ってこいだしね。君がいやっていうのなら僕が連れて行っても…」
「いい。俺が連れて行く」
やけにきっぱりとルーサーの申し出を断ったジェラールは、階段を降り切ってからオリビアにコロシアムのルールを聞かせた。
「特別席は男も女も正装だ。お前ドレスなんか持ってないだろうが」
「持ってないけど…どうしたらいいの?」
「…ルーサー、用意してやれ」
「はいはい」
――ドレスを着るのは久しぶりのこと。
瞳を輝かせたオリビアの喜びを感じ取ったシルバーは、身体が左右に大きくぶれるまで尻尾を振りまくってオリビアの顔をぺろぺろ舐めた。