「同じ空の下で…」
私は手に変な汗をかきながら、そのまま瞬の後を追うようにして部屋を出た。
「それ、あたしの・・・・」
そう言いかけた時はもう、すでに遅く、瞬が振り返り、
「ごめん、本当にごめん」
と、本当にすまなそうにして私に電話を渡し、逃げるようにして部屋に戻っていった。
着信履歴を見ると
[亮太②]
・・・・私は深くため息をついた。
そして深呼吸をしなおすと、[亮太②]へ、発信する。
「りょうた、ごめん…」
「艶香、何処に居んの?何してんの?何で艶香の電話に男が出んの?」
まくしたてるように、そして怒りのままに、亮太の声が私の耳にひどく響いた。
「友達って、誰だよ?いったい何やってんだよ、つやか、何か言えよ!」
「あ、…あのね、隣の席の人が間違って・・・・私の電話を・・・・」
「意味わかんねぇよ!今すぐ帰ってこいよ!今、何時だと思ってるんだよ!」
・・・完全に、亮太が勘違いし、しかも、キレているのが解った。
「…あの、で、そっちは何で会社ケータイでかけて来てる訳?」
「俺の電話がないんだよ!!!今あるのがこっちの電話だから、こっちからかけてんの!!」
「へぇ・・・・。」
その言葉で、やっと私も冷静になれた。
そっか。
さっき女の人が亮太①の電話で私に電話してきた事を…
亮太は知らないんだ。