「同じ空の下で…」
「お忙しいでしょうから、私はこれで…」
「まずそこに掛けてて下さい。今、中身を確認しますから…」
さっきから不思議そうな顔でイケメンは封筒を眺めていた。
そして、その企画書を開封すると同時に、ブッ…と吹き出し、呟いた。
「…マジかよ…」
中身を確認して、困った顔で私を見る、イケメン。
「…不備でもございましたでしょうか…?」
「いやいや、英さんのせいじゃない。…この中にオペラの鑑賞券と…見合い写真が…」
「…えっ?!み、見合いですか?!」
…なんじゃそりゃ…。
私はそんな物をここまで届けたのか…。
いや、そんな物なんて言ってはいけない。
静まり返った部屋の中。
妙な空気を裂くようにノックが聞こえ、
「失礼します。」
髪の毛を綺麗にアップした女性がコーヒーを2つ運んでくると、
パソコンに覆われているデスクの前にでくの坊のように困惑して立ち尽くしていたイケメンも、
ソファーに座る私の向かい側に座り、足を組んだ。
「…うちの父と村越常務は、友人関係にあるんです。」
「そうなんですか。…スイマセン、頂きます…」