「同じ空の下で…」

[to:岡崎 瞬]

[sub:今日は…]

[本文:定時で帰れると思うよ。どうした~?何かあった?]



…─────

何時に帰れる?なんて聞かれると、普通、相手からの連絡を期待してしまう。

なのに、待てど暮らせど、瞬から定時後に連絡が来る事は無かった。


タケルからの連絡もなかったし、私は少し息抜きも兼ねて、会社帰りに雑貨屋に立ち寄ったり、お気に入りの洋服屋へ行ったりして自分の好きな事をして帰宅した。

久々に、ちゃんとバランスよく考えた夕飯を作り久々に泡風呂の中でゆったりお肌の手入れやらヘアケアを入念にしたりして、充実した自分時間を過ごしていた。

お風呂から上がると、まるでその様子を見ていたかのように、実に絶妙なタイミングで着信を知らせる音が鳴る。

『つ~や~か♪』

「・・・・んもぅ。」

いつも通りの瞬の声に安心する。

『なんで、んもぅ…?』

「だって、今日のメール…。電話がすぐ来るのかなぁって思ってた。」

『何だよ。じゃあ、艶香から電話くれてもいいじゃん。』

…ま、そうだけど。

『ねぇ、それより、今、窓の外見れる?』

「ん?見れるけど?」

私はカーテンを少し開け、外を見た。

雪は降ってないけど見るからに寒そうな夜闇が見える。

『空を見て?』

「…あ、うん。ちょっと待ってて…」

言われるままに電話を右耳と右肩で抑えながら、窓を開けると空には星が瞬いていた。



< 123 / 646 >

この作品をシェア

pagetop