「同じ空の下で…」

「ぶっ…」


『なんだよ、笑うトコ?正直な気持ちを言ったダケなのに。』

「…いきなり暗い声になったり、元気になったり、忙しいね、瞬。」

『…今、そうゆうお年頃なんだよ。』

「…乙女みたい…。寒いっ…もう、閉めていいかな?」


窓に手をかけると、また電話を耳と肩に挟めながら静かに窓を閉め、鍵をかける。

『まだ、窓開けてたのか?!』

「そうだけど?」

『風邪ひくぞ?』

「大丈夫よ。大体、瞬が外、見ろっていうから…」

『素直だなぁ…艶香。熱出したら、俺に責任あるじゃん…。』

「…そだね、瞬のせいで風邪ひいたら、ちゃんと責任とって看病してよ?」

『看病?行っていいなら毎日看病に行くよ。むしろ、風邪ひけ!ひいてくれ!毎日行く理由が出来る!!』

「風邪…うつすからねっ!」


『大歓迎だ♪』



ほんのちょっと変な空気になったけど、瞬が元気そうになってくれて、私はホッとする。

『じゃ明日…仕事終わったら、電話ちょうだい。』

「うん、分かった。瞬は?仕事?」

『…まぁ、俺は仕事のようで仕事じゃないからな…。』

そういえば、瞬の仕事って、今まで一度も気にした事もないし、話題にすることもなかった。

「あれ?瞬て、何してる人?」

『・・・・密売人・・・・』


・・・・?!


「えっ…そ、そうなんだ?!」

『…て、また、本気にしてるし…♪』
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