「同じ空の下で…」
作業から戻ると私はソファーに座り、テレビを見る。
瞬は、自分の出張バッグを探ると白い封筒のような物に包まれたものを取り出し、
中身から何かを取り出すと、私の後ろに廻った。
私の髪の毛を軽く手で梳いて、一つの手に纏めて、
それをアップするようにねじりあげると、そこに何かをあてがった。
「…何なに?」
「花簪。…艶香に合うかな~って。」
「えぇ?!もしかしてお土産??」
「yes.…食いもんの方が良かったか?」
「み、見せて!」
「このまま、洗面所へ行くといい♪」
そういわれて、立ち上がると洗面所に行き、頭の後ろの方を見た。
美しい色彩使いの花と蕾の装飾に、かわいらしい小鳥のシルエットがついた、簪が私の頭を着飾っている。
「…お気に召されました?」
洗面所から私を見る瞬が、鏡越しに私をみて言った。
「…なんて、可愛いの~!瞬て、可愛いの見つけるのが上手すぎるっ!」
「見つけた時、艶香のイメージにぴったりだったから買ってみた。」
「ありがとーーー!」
「浴衣とかの時に合いそうだな♪」
そういって微笑むと瞬は部屋に戻って行った。
私は独り、洗面所で何度もその姿を映してははしゃいでいた。