「同じ空の下で…」
「だから…これ以上…一緒に居たら・・・・」
「別れが…辛くなる…」
やっと、喉の奥から声が出せると同時に瞬の胸から顔を上げた。
「瞬と居ると楽しかったよ。 もっと早く、素直になれば良かったって、後悔してる…。」
「俺も、こうして艶香といるのが楽しくてお前を独占したい気持ちで一杯になる…。だからこそ、これ以上、艶香にハマったら、 別れが、好きになった分だけ辛くなる…。」
瞬は、そのまま目を伏せた。
「そうだね、辛くなっちゃう ね…。」
すぐそこにある瞬の手に私は自分の冷たくなった手を重ねた。
今、この幸せのまま、関係を終わらせた方が、きっとまた、笑顔で笑いあえる。
傷は浅い方が早く治るはず…。
「…強くなりたい。」
瞬が…
呟いた。
そのままの瞬でいいのに…。
充分、強いよ、瞬。
こんなにも私を楽しくって暖かい気持ちにしてくれるんだから。
「行かないでよ…瞬。」
そういうと、切なそうな瞳で私を捉え、また、私を抱きしめる。
「つやか・・・・ごめん。」
いつもよりも鼻にかかった声で、更には涙声のような声でそう言う瞬に、私はそれ以上何も言えなかった。
このまま時間が止まってくれたらいいのに・・・・。