「同じ空の下で…」
一緒に座ったからといって、特に話す内容も浮かばず、私はひたすら外の景色に目をやりながら、時折高梨さんを観察した。


「…最近、何してます?」


「えっ?」


「たとえば、仕事の後とか…趣味とか、教養を身に着けるとか…。」


「…私は…特に何も…。高梨さんは?」


「仕事です。あえて言えば、仕事の後に会食とか、取引先と食事とか…。」


「お忙しいんですね…。」


さっきは熱くて飲めたもんじゃなかったコーヒーが少し冷めたのを確認すると、そのまま一口、口に含んだ。


「…たとえ時間があったとしても、何をしたらいいのか分からない。」


「…失礼を承知してお尋ねしますが…おいくつなんですか、高梨さん?」


「今年24になります。」


「えっ?!じゃ、同い年ですね!」


「そうなんですか?英さんお若く見えるから…」


「私も24です。なら…ゴルフって歳でもないですしね…」


「貴方は?いつも時間が出来ると何をしてます?」


「私は…ゆっくり自分の身体を休めます。時折、プールに行ったり。友達と飲んだり…。意外と、その時にやりたいことって見つかるんですよね。」




 

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