「同じ空の下で…」
そして最後の企業を廻り終え、その会社を後にすると、私と瞬はどちらともなく、ボーリングでストライクを出した瞬間とか、サッカーでゴールが決まった瞬間みたいに、右手でハイタッチして互いに達成した事を喜びあった。
ごく普通の仲良しな友達みたい。…そんな感じだった。
「最高のバディだった。本当、今までお疲れ様でした!」
私は目の前の瞬にお辞儀をしながら言う。
「こっちこそ、何も言わず俺のペースについてきてありがとう!感謝してる。」
瞬も、清々しい達成感で一杯だ…とでもいいたそうな顔で、私にそう言ってくれた。
ふと、瞬がポケットからスマホを取り出す。
そして、ごく自然な動作で、私の頭を自分の顔の横に寄せて、左手にスマホを持ち、シャッターを切った。
全く突っ込む隙がない程の速さに、毎度ながら驚かされてしまう。
撮った写メを確認しながら一人でニヤニヤ笑ってる瞬。
「…ジェームスに送ろうっと♪」
「ジェームス?」
「ジェームスは…アメリカでお世話になる予定の人。…なんか、スマホになんちゃらっていうアプリを入れろとかなんとか言われたから、それでテストも兼ねて画像送信してみる。」
「…そうなんだ。…あ、じゃあ瞬、私にもついでに写メ送って?」
「All right~♪」
車に乗り込み、私は瞬から送られてきた写メを確認すると顔が綻んだ。
瞬も無事ジェームスに送信したご様子。