「同じ空の下で…」

瞬の隣でハトが豆鉄砲喰らったような顔の顔した私が映ってる。

こんな写メを知らない人(しかも外人)に送るなんて…恥さらしもいいところだ。



さっき溢れた涙を目の中にしまい込むように少し顔の角度を変えて、涙が出てしまった事をなるべく瞬に気づかれないようにしながら、私は平静を保った。

そして、窓の外の景色を見ながら、私は何も考えないように…好きな歌を頭の中に浮かべながら、なるべく瞬と会話を交わさないように(だってこれ以上話をしてしまったら思いのよらない言葉がポンポン出てきそうな気さえしたので)、口を結んだ。

そんな態度の私を気にしてる様子もなく、瞬はご機嫌に事務所へ車を走らせていた。

横目でチラチラ観察してみれば、満足げな顔して運転する瞬。





事務所に着くと私はすぐ車を降り、階段を駆け上がる。

「お疲れ様~」


皆が居るソコへ行けば、なんだか安心した。


瞬と二人っきりの空間が、嬉しかったはずなのに今日は逃げたくて仕方ない空気で一杯だった。







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