「同じ空の下で…」
深い緑色のカラコンを付けた里奈は目を大きく見開いた。
個性的なファッションセンスの里奈にはその緑色の瞳がすごく似合っていた。
里奈は驚きを自分自身で落ち着かせるように手元にあるカシスオレンジに一口くちづけると、また私の顔を覗き込む。
「女冥利に尽きるじゃない!」
「…瞬は、私を大切だから…2年無駄にすんなって…。意味分からない…。どうすればいいのよぉ~~…。」
「・・・・そっか。そんな風に言われたの、艶香。」
由美がゆっくりと綺麗な指で私の髪を梳かすようにしながら、耳にその髪をかけてくれる。
「…大っ嫌い…。瞬なんか、大っ嫌いっ!!!」
すっかり泣き上戸に仕上がった私は、傍にあるレゲエパンチを飲み干した。
「…もう、帰る!」
フラフラしながら、立ち上がると、向かい側に座ってた里奈が私の身体を支えるように立ち上がった。
「だ、大丈夫?」
「…へーきよ!」
途端に、酔いが廻ると、私はトイレに向かった。
なにやってるんだろ…アタシ…。
「大丈夫?艶香?」
由美に背中をさすられながら、私はその思いを吐き出すかのよう蹲る。
完全に気持ち悪くなり…醜態をさらけ出す。
情けない…。
たった短い一つの恋でこんな自分をさらけ出すなんて…実に情けない。
完全に瞬に振り回されてる自分が…情けない。