「同じ空の下で…」
それから、瞬からの『個人的連絡』が本当に途絶えた。
勿論、私からも瞬に連絡をしたくても、しなかった。
素直に心に従えばいいと、由美も里奈もあの日、言ってくれたけど、やっぱりそれが出来なかった。
自分が、完全に瞬に依存しそうな気がして怖かったのだ。
『大切な人』って、なんなんだ?
いや、本当は分かる。瞬の言うその意味は、恋愛経験が豊富じゃない私でも分かる。
『大切な友達』って言ってくれたら、幾分私の気持ちも楽になっただろう…。
大切な人だから2年間無駄にするな…?
大切な人だから2年間無駄にするな…?
何度もあの言葉がリフレインする。
勝手な事いってんじゃない、私の気持ちをどうしてくれるんだよ。
無責任な奴だ。
勝手に外国でもどこでもいってしまえっ!
自分の部屋で一人自問自答すると、枕を別室に投げつけた。
クリスマス、ニューイヤー…本当に、瞬からの連絡は無かった。
そんな生活にも、段々慣れてきた。
別にいいや。
やっぱり遊ばれちゃった♪…そう気楽に考えればいい。
久々に年末年始は実家に帰り、勝手に借りていた麗香のアウターをまたクローゼットにこっそり戻し、家族と正月特番をみたり、初詣にいったりして、一丁前に手を合わせながら
『瞬が外国に行きませんように』
なんてたった500円で可愛いお願い事をしてみたりして、神頼みにすがってみたりする。
おまけに、100円おみくじなんかも引いて、小吉だったのを麗香に馬鹿にされ…。
数年ぶりに…おひとり様を過ごしてみた。