「同じ空の下で…」

お年玉を大量に手に入れた麗香と初売りの列に並んでいる時の事。

バッグの中のスマホが震え、手にしてみるとタケルからのメールだった。



[From:安堂 タケル]

[Title:あけましておめでとう!]

[Text:飲み初めしま~す♪参加者返信宜しく。]





「…どうしようかなぁ…。」

「艶香、どしたの?」

「同級生からの飲みのお誘い。」

「行ったらいいじゃん?艶香、飲み会とか大好きじゃん?」

「まぁね。…会いたくない人が居るから迷ってる…。」

「ふぅん…」


瞬も…来るのかな?



来たところで私は別にもう、友達として彼を見てればいいんだ。

そう、最初に会った時みたいに…。


スマホの脇でプラプラと揺れるスワロフスキーの仔犬を見ると、瞬の顔が浮かんできた。


会いたくない。= 会いたくてたまらない。



瞬は…友達だ。

瞬は…バディだった人だ。

瞬に特別な感情は無い!


自分に言い聞かせながら、タケルに返信する。


[To:安堂 タケル]

[Title:Re:あけましておめでとう!]

[Text:英、参加しますヽ(・∀・)ノ♪タケル、あけまして。今年も宜しくね♪]


[From:安堂 タケル]

[Title:無題]

[Text:こちらこそ今年も宜しく!瞬も来ると思うから~♪今日は酔っぱらうなよ?(笑)]




…タケル、[瞬も来ると思うから~♪]は、要らない。
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