「同じ空の下で…」
瞬の部屋に着き、欲望をぶつけ合う優しい遊戯が終わると、互いに手を繋いで眠る…────。


瞬と…同じ夢が見れるように。

夢の中でも幸せで居られるように。


………瞬から離れないように、手を握りしめた。




そして、なかなか寝付けずに居た私は、横で静かに寝息を立てる瞬の横顔を見つめていた。


『瞬が居なくなったら、私は大丈夫なんだろうか……?』


この幸福な時が、頭から離れてしまわないようにその姿を目に焼き付けるように、瞬を見ていた。


今、貴方の夢の中には私が居るのだろうか?


2年という月日を経た時、今と変わらずに笑い合えるのだろうか?

この温もりを…また感じる事が出来るのだろうか?


様々な不安が一気に脳裏を過り、…とてつもない不安を感じ、私は怖くなって目を瞑った。



こんなにも…誰かの温もりが目の前から消える事を怖いと感じた事はなかった。


神という存在があるとするなら、ほんとに神様とは意地悪な存在としか思えなかった。

このまま、時が止まってしまえばいい。

離れ離れになる事がなくなれば、こんな想いはしなくて済むのに…。

神という存在は、きっと私達の事を試しているのかもしれない。


この想いが、永久に続く事を願いながら瞬の手を両手で握り、眠りについた。









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