「同じ空の下で…」
少し顔をしかめながら、天井から目線を私に移す瞬。
瞬の言ってる意味を理解できずに、私は不思議な想いで一杯だった。
「…2年後、今と変わらない気持ちのままだったら、一緒に暮らそう。」
その言葉で私もやっと、瞬の発した言葉の重みに気が付く。
「・・・・あ、…あの、うん、ごめん。分かった…」
焦るように瞬に返事をするけど、勿論、この言葉が瞬への返事として相応しくないのは重々承知の上だった。
そんな私に瞬は優しく微笑み、髪の毛にキスを落とした。
「…待ってて下さい、俺の事。」
瞬の心臓の鼓動が、私の身体へ伝わってくる。
瞬にとってこの言葉が、どれだけの勇気が必要だったのかが、すぐ分かった。
私は一度、深呼吸すると、瞬の瞳を見て、答えた。
「はい。」
たった二言なのに私も私で、とても勇気が入った。
瞬は私を両腕に抱きとめると、もう一度言った。
「…艶香…だけど、無理しないで。好きな人が出来たら、ちゃんと言えよ?」
ばっかだなぁ、瞬。
そんな事、あり得ないよ。
本当に不安なのは、貴方の心変わりの方が心配なのに…。
「分かった…。ちゃんと言う…。」
「俺も、辛くなったら、ちゃんと艶香に伝える。」