「同じ空の下で…」
互いの先の話なんて誰にも分からないから私の未来を奪いたくないと、瞬は言った。
「…瞬、私、強くなるように…頑張るよ。」
「頑張るなよ…。今のままのお前で居て?」
「…だって、瞬が居なくなったら、どうしたらいいか、今の自分には…想像できない…から…」
「…いつになるか分からないけど、必ず連絡する。電話もする、メールもする、手紙も書く…だから…」
きつく腕に抱かれながら、私は瞬の言葉をしっかりと聞き入れていた。
「…支えになってほしい。」
「…うん。わかった。…でも、本当に…私で、いいの?」
そう言うと、瞬は柔らかく微笑み、私に軽いキスをくれた。
私は目を伏せ、更に瞬に自分の不安を伝える。
「…私、役不足じゃないかな…。自信ない…よ…。」
「そのままの艶香で充分だ。」
────…
先の事なんて分からない。
私も瞬もそれは同じ気持ちだった。
だけど、この時の瞬がくれた言葉で私は救われた。
ずっと、不安でいっぱいだったけど、瞬の口から2年を乗り越えようという確たる言葉を貰って、自分の想いに整理がついた。
そして、私自身も、瞬の気持ちが分かったような気がする。
『大切な人には、そのままでいて欲しい。幸せになってほしい。』
そう思ってくれたように、瞬にそんな気持ちを抱いたのだった。