「同じ空の下で…」
充実した日々を送ってると、驚くほど時が経つのが早いもので、
瞬と出会った頃はイルミネーションに彩られていた街は、バレンタイン一色の雰囲気に包まれていく。
2月…────。
街のあちこちには、ハートが無数に溢れ返っていた。
とことん日本というのはイベントが好きな国だなぁ…。
そんな事を思いながら帰宅ラッシュに揉まれ、駅のホームに降り立ち皆の待つ事務所への足を早めた。
「お疲れ様で~す」
勢いよくドアを開けると事務所には、さっき来たばかりと言わんばかりの様子でタケルが作業の準備をしてた。
「お疲れさん。仕事、早かったんだね。」
「うん、まあ。最近は特に忙しい事もないし、来月は期末絡みで残業続くかもだけど…ね。」
「ああ、分かる。俺も期末絡むと…深夜まで作業なんてザラだ。」
「今が一番こっちに携われる時期かも。」
「同じく。出来るトコまでさっさと進めようと思ってるよ、俺も。」
自前のノートパソコンを準備しながら、タケルはデスクに座った。
「…で、最近、どう?仲良くやってる?」
「…なに?誰と?」