「同じ空の下で…」
A4サイズの書類が5枚ホチキス止めされ、そこには、みっしりと地元の企業や個人会社、例年の出資者のリストが載っていた。

「…こんなに・・・ですか…?」

「ざっと600件あります。あくまでも昨年、一昨年のものなので、もう存在しない会社も少なくないと思いますが…。」

「あの人数で600件…ですか…。」

昨日いたメンバーは私以外に男の人が5人と由美が居て…。
その人数で600件こなさなければいけないのは…気の遠くなるような話だった。

「この最初の時だけでも、手伝っていただけませんか?今、皆それぞれ知ってる限りの同級生に声をかけて頑張って人を集めてます。人が少しでも増えていったら、ご事情もあるだろうから…係から退いて頂いても構わないです。」

「…でも、私…どのくらいお手伝いできるか…」

「助けてほしいんです!・・・・っていったら大袈裟ですね。でも本音はやっぱり助けてほしいです。」



そこまで言われて…頷くしか自分への道はなかった。



「はい…じゃぁ…ワカリマシタ…」

「ありがとうございます!じゃ、あと、これは昨日の資料です。自分なりにまとめておきました。時間ある時に見てください。本当にありがとう!!!」

「いえいえ、そんな…」

頬をパァッっと赤くさせ、笑顔をみせる安堂は、偽りのない顔で控え目に笑った。

「…いっぱいやる事あって、大変ですね、安堂さん。」

「大丈夫ですよ。忙しいけど、遣り甲斐はあるし、やり遂げたその先に、きっと何か見えないものが待ってると信じて、臨むだけです。あ、それと…」

「はい?」



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