「同じ空の下で…」

タケルが到着した後は、続々と係の仲間が集まってくる。

タケルを中心に、報告やら連絡をしていくので中々タケルの作業は進まなかった。

私は私で、意見を求められれば答えて自分の仕事を淡々と熟し、山積みだった書類を処理していった。


あっと言う間に、時間は過ぎ、終電間際になると帰り支度を整え帰る準備をする。

「…あ~…今日も終電かぁ…」

一人で呟きながらスマホをチェックすると、お約束のように瞬からのメールが届いていた。



[title:終わったら…]

[text:一緒に帰ろう。]


そのメールに、私はOKの返信を送る。


事務所の階段を降り、瞬の車を見つけると、助手席に乗り込んだ。

「…お・つ・か・れ!」

さりげなく私の頭にポンっと左手を乗せ、車を走らせる。


「お疲れさまぁ…。」


私も、さりげなく、瞬の方に寄りかかる。


「順調?」

「やっと、山積みが…丘くらいになったかな…。」

疲労困憊の眼を休めるかのように、そのまま目を閉じる。


「イベント終わったらさぁ、どっか、軽く小旅行行かないか?」

「…あ、うん。いいね。」

「…有休は?とれる時期?」

「うん。人事異動なければ大丈夫かな?今の部署在勤なら…多分大丈夫。」

「そっか。2泊3日くらいで、とれる日、後で教えて?」

「うん、分かった。」





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