「同じ空の下で…」
そんな楽しい行事を掲げられてしまえば、ちょっと憂鬱気味だったイベントのお手伝いだって、少し気合いを入れてやってのけてしまいたくなる。
「瞬、事務所のカウントダウンの紙、知ってる?」
「うん、わかるよ?」
「…タケルと話してたんだけど、誰があれを毎日変えてくれてると思う?」
「…オレだけど?」
「えっ?!」
「…そんなに…驚くとこ?」
「うん、驚く。」
「仕事終わって、一旦事務所に寄って、皆で隠してる合鍵の場所から鍵を見つけて、とりま、この2日間俺が変えてるけど?変?」
そう真面目な顔で話す瞬。
「…変!不気味だとまで今日、タケルと話してて…」
いい加減、私も笑わずには居られなかった。
「…明日からやんねぇ…。そうゆう反応かよ…。」
「…いや、いやゴメン。瞬てば、意外に…マメなのね…。」
少しずつこみあげる可笑しさを何とか平常に戻していく。
「…自分の為みたいなもんだよ、あのカウントは…さ。日本に居れる時間を自ら頭に叩き込む…みたいな…。」
少しだけ…視線を落としながら、瞬はまた元気のない声で言った。
「…あ、…そっか。」