「同じ空の下で…」

瞬が…日本に居られる時間…かぁ。


イベントが終われば、リミットは残すとこ2ヶ月弱────…。


イベントも含めてしまえば…

瞬とこうして居られるのも、わずか3か月しかなかった。


途端に、私は淋しい気持ちで一杯になり、複雑な気持ちになる。


何も言えずに、ただ外の景色を眺めていると、自分の部屋が見えてきた。


「着いたぞ?」


「…うん。今日も…ありがとう…」

「…どういたしましてっ!」


私の頭を抑えると、瞬は軽く私のおでこにキスをした。

助手席から降り、

「…おやすみ。気を付けて帰ってね。」

「おやすみ。いい夢を…」



そう言って、瞬は車を走らせた。






イベントが終わるまであと29日。

瞬と一緒に居られる時間を改めて再確認してしまって、一人で過ごす孤独感に久々に見舞われた夜だった。






─────・・・・


毎日、密かに瞬が変えているであろう、その紙を見ながら、私は溜息をつく。


【本番まで あと 14日】

20日を切った辺りから『イベント』が『本番』にいつの間にか書き換えられていた。


冬の始めから携わったこのイベントの手伝いもあと2週間でフィナーレを迎える。

きっかけは…、思えば由美からの1本の電話だったよなぁ。


そんな事を思い出しながら、由美と先日行ったランチでの女子トークを思い出す。









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