「同じ空の下で…」

「由美は…蓮と居ると幸せ?」


「…うん、楽しい気持ちになれるね。…艶香はどう?」


「…楽しいけど…どんどん切なくなっていく…。日にちが経てば経つ程…」


「…それが…遠距離ってヤツかぁ…」


「きっと…そうなんだね…」


窓の外の空を見上げて、私はいつか話した瞬との空の会話を思い出す。


見上げた空は青くて高くて、迷子になっているかのような雲がふわふわとその空を漂っていた。



「さて…いこっか。」


ドルチェのフルーツタルトをお皿の上からすくい上げ、最後の一口を口に運ぶと、席を立った。



─────・・・・


「艶香、ちょっとスマホで、HPみてくれる?」


一人、土曜の午後の昼下がりの光景を浮かべながらぼんやりしていると、タケルが無理矢理のように視界の中に入ってきた。


「…あ、りょ、了解~…」

慌ててスマホを取り出すと、言われた通りにイベントのHPを開いてみる。


「見たよ~」

「掲示板を見つけて、そこに何か書き込んでくれる?」

「分かった~」


掲示板を見つけると「フルーツタルト食べたい。」と書き込んでみる。

すると、タケルのスマホが鳴った。


「~やったぁ。大成功!届いた届いた!」


タケルのスマホを覗き込むと、『掲示板に投稿されました』と、メールが届いていた。

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