「同じ空の下で…」

「そか。…俺もちょっと…皆の演技見て、その後の観客の拍手とか見てたらグッときた。」

「うん…。最高だったよね。」

「ほんと。最高だった。」

「…このイベントに…携わる事が出来て…良かった。」

「うん、大変だったけどな、色々と…。」



「タケル、ありがとう。」



「…えっ?なんで?」

「…私の職場に来て…私、やめるとか言ったのに…説得してくれたじゃん?覚えてるかな…?」

「…ああ。覚えてるよ。でも、別に俺は何も。…艶香が自分の意思で選んだ事じゃん。」

「…ううん、タケルが居なかったら、とっくに私は逃げてたと思う。」

「…そんな事ないだろ?瞬だっているじゃん?」

「瞬が居るからこそ、逃げてたと思う…。」




最初は苦手で大嫌いだった。

初対面のあの日、瞬の存在で、即やめようと思ったけど…


瞬もタケルも由美も里奈も…

遥人も嘉斗も蓮も・・・・


皆の存在があって、私はここまで頑張れた。



「…皆に、感謝で一杯の気持ちだよ。」


さっき泣いたっていうのに、また涙が溢れ出て来る。


「…やめろよ、艶香。そうゆうのは…瞬の前で…泣いてくれ。」


タケルもまた目頭が熱くなってきたのか、私の横で目をパチパチさせて、そっぽをむいた。



「…ごめん、もう、泣かないし。」


「…うんうん。ほら、やっぱり瞬の傍に行って来たら?」


「…いいよ、瞬も…あたしにかっこ悪いとこ見られたくないんじゃないかな?」





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