「同じ空の下で…」

「…そうかもな…。現に俺も今、艶香にこんな顔見られたくないし…」


「…見ないから、いいよ。てか、タケルこそ控室行って来たら?」


「…いいって。なんか苛められて泣き付きに行ったみたいじゃん?」


やっとタケルが私の顔を見て笑った。


「今日くらい、プライド捨てて、思う存分泣くのもいいと思う。」




きっと、

泣いてしまうのは真剣に頑張った証であり、

泣いた分だけ、もっと強くなれると


私は、思う。




──────・・・・


「本日はお疲れ様でした。みなさんの協力のお蔭で、事故もなく大変素晴らしいフィナーレを飾る事が出来ました。本当にありがとうございました。不行き届きの点も多々あったかと思いますが…この時を迎える事ができ、本当に嬉しく思います。本当に改めましてありがとうございました。」


「ありがとうございましたっ!」


打ち上げ会場で、係に携わった皆で一列に整列し、出演してくれた皆に挨拶をする。

お辞儀をしたまま、皆の拍手を受ける。


「おつかれさま~!」

「感謝でーす!」

「ほんと、良かったよ~!」

色々な声が拍手と共に会場から聞こえてくる。


「…では、そろそろ乾杯と行きたいと思います。係のみなさん、自分の席に戻って下さい。」


その言葉でやっと顔をあげ席に戻った。

「やっと飲めるなっ♪」

隣の席で、瞬が囁いた。


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