「同じ空の下で…」
光る海、真っ白な砂浜。
真夏なら水着が似合うであろうその光景──。
瞬の車から降りると、私は波に向かって砂浜を走り出した。
続いて由美も追いかけてくる。
靴を脱ぎ捨て、素足と砂の感触を味わう。
そして、まだまだ冷たいその波に足をつけ、一瞬身震いを覚えるが…今のテンションの私たちには全く関係ない。
足で波を蹴り上げると、そのまま、瞬に向けてまた一つ波を蹴り上げた。
「な…!つやか、やったなぁ~?!」
そんな瞬の反応を楽しみながら、私はまた一つ寄せて来る波を蹴り上げる。
瞬も同じように蹴り返してきて、今度はタケルに向かって波を蹴った。
結局、水かけ合戦へと発展していき、しばらく無差別にその遊びを愉しんだ。
せっかくのお気に入りのワンピースは、どんどん水浸しになっていく。
だけど、そんな事は気にしない。
時間なんかも気にしない。
今この時を好きな仲間と共有して、ただ単純に愉しむ。
余計な事は考えない…。
いや、考えたくない。
この先、瞬と離れ離れにならなければいけない事を・・・・。