「同じ空の下で…」
「俺だけ悪者かよ。いつか仕返しするからなぁ!」
車内は相変わらず各々の笑い声で溢れる。
また、4人で来たいね、海。
それぞれの濡れた服を乾かす為にと瞬は暖房を最強にしてるにも関わらず、
皆で窓を全開にして走った。
「気持ちい~~!」
温かい日差しを受けながら体に受ける潮風を大きく吸い込むと、私は外に向かって大声で叫んだ。
アパートに着くと、瞬の携帯には6件、私には3件、美優には2件、遥人からの着信があり、また、皆で笑った。
今日は、何年分笑ったか分からない程、笑ってる。
「仕方ないな~。」
「行ってあげよう。」
「可哀想に…。」
「本当にそう思ってる?」
「…いいや、思ってない♪」
「とりあえず、俺、先に行っておく。絶対来いよっ!」
「へ~い」
タケルが帰るのを見届け、その後由美が帰って行き、
時間差でそれぞれ事務所で落ち合う約束をした。
私と瞬は2人で久しぶりに、歩いて事務所に向かった。
事務所に着くと遥人がブツブツと言いながらも、楽しそうに後片付けの作業をしていた。
半年間の成果。
もう、今日で、皆とお別れだ。
毎日、忙しくて大変だったけど今、私は心地良い達成感で一杯で、皆と毎日普通に過ごせてたのが楽しかった。
…もう、それも無くなる。
そう考えると、寂しい気持ちで一杯になる。
「色々企画してさ、皆で会う機会をどんどん増やそうな?オレ、幹事やるから!」
だからこそ、そんな遥人の何気ない一言すら、やけに嬉しく思えた。