「同じ空の下で…」
手当り次第、近くにあるものを亮太に投げつけて、
「馬鹿にしないでよっ!!!」
って、何度も言ってたのは覚えてる。
「そんなの優しさじゃないよ!浮気すんのはちっとも優しくない!!だから、価値観あわないって、いってるじゃない!!なんでわかんないの?!別れてよ!あたしじゃなく、そっちへ行ったらいいじゃない!?」
リモコン、ふきん、風邪薬の箱…何も入ってないお菓子の空き缶…
テーブルの上にあるものをなんでもかんでも手当り次第、亮太に向かって投げつける。
やがて、亮太はいつものように、私の横にまわり、左手首と右手首をとらえ、私の動きを止めにかかった。
あぁ、また叩かれるんだ…。
そんな事も冷静に見据え、下唇を軽く噛む。
「いい加減にしろ、つやか…」
「いい加減なのはそっちじゃん!!」
バシッ!
やっぱり、亮太に頬を叩かれる。
「いっつもそうだ!!!いっつもそうやってっっ!!!!!!」
悔しい。力が及ばないって、本当に悔しい。
だけど、絶対、泣きたくない!
「亮太は図星を突かれるとすぐあたしを叩くっ!!痛いのっ!やめてよっ!」