「同じ空の下で…」
鎖骨を優しく刺激する、形の良い整った唇。
「…瞬…?」
「…ん~?」
「…まだ、10個言えてない…。」
「…いいよ、艶香が言って…?俺は今、忙しい…」
緩やかな動きで鎖骨から滑り落ちていく瞬の唇の動きに集中しながら、
その刺激を感じ取ってしまうと体を仰け反らせずにはいられない。
「…その唇がたまらなく…好き…」
器用に長い指で私のブラジャーのホックを外すと、そのまま瞬の唇はそこを刺激していく。
その刺激に軽く下唇を噛み、漏れそうになる声をこらえると、
瞬が私の顔を覗き込み、キスを落とす。
「…俺が最も好きな所。…お前の唇。」
塞がれていく。
優しく、熱く、激しく…────。
閉じた眼の奥に、また涙が溢れる。
離れてしまったらもう、安易に貴方の注ぐ体温を受ける事は出来ない。
そう思うと涙がどんどん溢れてきて止まらなくなっていく。
静かにそれを、優しく指でふき取ってくれる…瞬。
指、唇、腕、胸板…。どれでもいい。
どれか一つだけでいい。
私の傍に置いて行って下さい。
それだけできっと、私は安心して眠る事が出来る。
どんなに離れていても、
大丈夫だと、確信できる…────。