「同じ空の下で…」

「…バレたか。」


最近、貴方の企みは何となくわかる様になってきた。

自分にしてみれば、かなり成長したなと思う。

自分を褒め称えてあげたい位だ。

「…でも、いいホテルだった。ありがと!」

「どういたしましてっ!」

運転する瞬は、前を見据えながら、答えた。





♪~♪~♪

[掲示板に書き込みがあります]


イベント専用の掲示板に書き込みがあった事を伝えるメールが届き、すかさずそれを確認する。


[投稿者:タケル]

[本文:お疲れ様です。緊急招集!係専用の飲み会します♪今日、時間ある人はPM7:00いつもの店に集合して下さい。安堂の名前で予約してあります。では酔い休日を*゚.+ヾ(´・∀・`)ノ~+.゚*これに関する返信および投稿不要です。]




「…だって、瞬。行く?」

「…行くよ。艶香もいくだろ?反省会だし。」

「…どうしよっかな。」

「艶香は強制連行ね。」

「…はいはい。」



相変わらず、鬱蒼と厚い雲で覆われる曇り空を見上げながら、軽く返事を返す。



瞬は横浜駅周辺の総合施設に車を停め、車を降りると宛ても無く一緒に歩き出した。



瞬に昨日買って貰ったワンピース姿で、瞬と手を繋ぐ。

頭一つ分の身長差で彼の隣を歩き、思いのままに2人で過ごした。


そして、いっぱい写真も撮った。

この時を刻むように…────。

2人でつないだ手の写真。

空を背景に顔を寄せ合った二人の写真。

瞬が勝手に私の後姿を撮影した写真。


とにかく色んなシュチエーションで数えきれない程の写真を2人で撮り合った。


これが、私の25回目のバースデーの一日なんだ、と証明するかのように。



< 251 / 646 >

この作品をシェア

pagetop