「同じ空の下で…」
「…バレたか。」
最近、貴方の企みは何となくわかる様になってきた。
自分にしてみれば、かなり成長したなと思う。
自分を褒め称えてあげたい位だ。
「…でも、いいホテルだった。ありがと!」
「どういたしましてっ!」
運転する瞬は、前を見据えながら、答えた。
♪~♪~♪
[掲示板に書き込みがあります]
イベント専用の掲示板に書き込みがあった事を伝えるメールが届き、すかさずそれを確認する。
[投稿者:タケル]
[本文:お疲れ様です。緊急招集!係専用の飲み会します♪今日、時間ある人はPM7:00いつもの店に集合して下さい。安堂の名前で予約してあります。では酔い休日を*゚.+ヾ(´・∀・`)ノ~+.゚*これに関する返信および投稿不要です。]
「…だって、瞬。行く?」
「…行くよ。艶香もいくだろ?反省会だし。」
「…どうしよっかな。」
「艶香は強制連行ね。」
「…はいはい。」
相変わらず、鬱蒼と厚い雲で覆われる曇り空を見上げながら、軽く返事を返す。
瞬は横浜駅周辺の総合施設に車を停め、車を降りると宛ても無く一緒に歩き出した。
瞬に昨日買って貰ったワンピース姿で、瞬と手を繋ぐ。
頭一つ分の身長差で彼の隣を歩き、思いのままに2人で過ごした。
そして、いっぱい写真も撮った。
この時を刻むように…────。
2人でつないだ手の写真。
空を背景に顔を寄せ合った二人の写真。
瞬が勝手に私の後姿を撮影した写真。
とにかく色んなシュチエーションで数えきれない程の写真を2人で撮り合った。
これが、私の25回目のバースデーの一日なんだ、と証明するかのように。