「同じ空の下で…」

PM7:05───


横浜方面で遊びまくった癖に全く疲れを知らない私たちは、少し遅れ気味でいつもの居酒屋へ到着した。

「安堂様ですね?こちらのお部屋へどうぞ。」



いつもと違う部屋を店員さんに案内され、何の躊躇いもなくその部屋に入ると


「ハッピーバースデー!!!」



イベントの係の主要メンバー達からクラッカーと祝福の言葉を浴びた。


横でニヤリとした瞬の顔を私は見逃さない。


ずっと一緒に居た筈なのにこの策略に何故気づかなかったのかと、自分へ軽く後悔の念を覚えながら、更には体についたクラッカーのテープを解きながら、皆の輪の中へ混じった。


「艶香、まさしく、ここお誕生日席ね!」


由美が椅子を引いてくれて、私を座らせる。


その隣が自然に空いていて、そこに瞬が座る。


「皆、ありがとう…!」


「とりま、乾杯しよう。瞬、艶香、何飲むの?」

「生。艶香は?」

「瞬と同じでいいよ。」

「大成功だな、タケル。」

「ああ。いつバレるか心配だったけど。」

「…そこは大丈夫だろ。だって艶香だもん。なっ、艶香!」


…そんな事、私に同意を求められても答えに困る。


だけど、明らかに言える事は、瞬とタケル感謝しなければいけないし、ここに集まってくれた皆にも感謝しなければいけない。
企画:瞬
運営:タケル

…と、言った所だろうか…?

本当に完全に普通に反省会だと思って信じきっていた。



私と瞬のジョッキが到着すると、

「艶香の25回目のバースデーに乾杯します。かんぱーい!」


瞬の掛け声で皆で乾杯した。



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