「同じ空の下で…」
「…みなさんに感謝します。どうもありがとう!」
タケルに促され、その場に起立して軽く挨拶をする。
照れ臭いような、だけど言葉で言い切れない嬉しさがこみあげて来るのが自分でも良く分かる。
「…艶香、今日はどんな一日だったの?」
蓮の横に座った由美は身を乗り出して私に問う。
「小旅行に行ってたよ~。」
「なっ!」
「いいなぁ。どこどこ?」
「横浜方面~」
その会話に瞬も自然に入ってくる。
「てか、こんなに誕生日を祝福されるのは初めての経験かもしれないな。・・・本当に今日は反省会って信じて疑わなかったよ。」
「あ、でもさ、高校の頃も一回くらい皆のまとめて誕生会したよね。お泊り誕生会を上半期、下半期でやったの、覚えてない?」
「・・・ああっ!やったね、やった。由美も美優も里奈も居たね!」
「・・・つか、女ってとことんパーティとか大好きだよね。」
「えっ?男同士はやらないの?」
「・・・所詮、飲みのきっかけに過ぎないよな、タケル。」
「確かに…。現にこれも飲みのきっかけに過ぎないけど。」
「だけどさぁ、正直いうと毎日のように顔合わせてたじゃん?ちょっと私は寂しかったなぁ。だからこの企画は、凄い嬉しかった!手放しで協力したよ~。久々に皆に逢えたって。でも、まだ数日しか経ってないのにね。」
由美は、胸の前で手を合わせて、本当に嬉しそうな顔で私たちに微笑んだ。