「同じ空の下で…」
憂鬱な月曜日────…。
昨晩のお酒のせいなのか、軽く頭痛を覚えながら、駅の階段をゆっくりと降りて行く。
スーツを纏ったサラリーマンやOL達は忙しそうに私の横を追い抜いていった。
朝、瞬から貰った指輪をはめようとすると昨晩のアルコールのせいなのか、指が見事にむくんでいて、ちょっとばかり指に食い込むようにして、私の左の薬指から煌めきを放っていた。
いつもより少し低速で会社への路を急ぐ。
スマホで今日のニュースをチェックしながら歩いていると、メールが入ってきた。
[FROM:岡崎 瞬]
[text:お早う艶香。今日も一日頑張ろう!]
なぁんだ、そりゃ。
そのメールと共に一つ、添付を見つけると、すかさず開けてみた。
頬をお互いに寄せて曇り空を背景にして撮った、横浜での私たちの写真。
歩きながら、思わずニヤける。
[TO:岡崎 瞬]
[text:ありがとぅ!…今日もお互いに頑張ろうね。]
自分でもなんだそりゃ…と突っ込みたくなるけど。
軽い二日酔いで更には寝不足気味で上手く頭が機能していない私の脳には、それが精いっぱいの返信だった。
瞬に送信すると、スマホをバッグにしまい、背筋を伸ばして、さっきよりは早い足取りでその路を歩いた。