「同じ空の下で…」

守りたい。

大切にしたい。

傍に居たい。

傍に置きたい。


ハマればハマった分だけ俺の欲求は無限になる。


その欲求を抑える為に何度も艶香と距離を置こうとした。

特別な恋情を持たないように自分を抑えたとしても、俺のちっぽけな理性はあっさりと崩壊した。

所詮、そんなもんだ。

会えば、触れたくなるし、話せばもっと彼女を知りたいと思った。




この数か月、いっぱいいっぱい艶香を振り回した。

この先、もっと振り回すのかもしれない。

待ってて欲しいなんて、本当に身勝手だと思う。



だけど、自分の気持に正直でありたいし素直でありたいと思う訳で。

それは、艶香から教わった気がする。



この空を今、お前も見てるのかな…────。



この青空に浮かぶ雲は数秒ごとに形を変えていく。

俺たちは、この雲のように簡単に形を変えて行く恋じゃないよな?


少なくとも俺は違う。

嘘偽りなく、

俺の傍には艶香が居て

艶香の傍には俺が居る

そんな未来を…思い描いている。




艶香も同じ気持ちなら、

俺たちはこの先2年の間、何度こんな切ない気持ちを繰り返すのだろう。





本当は


離れたくない…────。


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