「同じ空の下で…」
枕元のスマホを見ると、メールが一件届いていた。
腫れぼったい目を半分あけて、半目でメールを確認する…。
[本文:今日、集まれる?都合なければ、来てね。時間は15時だって。]
由美からのメールだった。
…一体どこへ行けばいいのやら?
そんな事を思いながら、フラフラと体を起こし、洗面所へ向かった。
「おはよう。」
私の気配を察知した母がキッチンから覗き込む。
香ばしいトーストの匂いが、家全体を包み込むように、充満していた。
「おはよぉ…」
ぼさぼさの頭をなでながら、洗面所で鏡を見ると、さほど目立ちはしないが、多少腫れた頬と瞼が気になった。
朝ごはんを食べながら…
やっとの事で、母に昨夜…いや、ここに戻って来なければいけないくらいの出来事に至るまでの亮太との事を簡潔に話した。
「今日、物件探ししてくるよ…」
「ここに居ていいのよ?」
「うん、でもまぁ、引っ越す方向で…それに、通勤に不便じゃん?」
「…心配なんだけど…?」
「大丈夫だよ。ごちそう様。」
自分が大丈夫だなんて、全く自信がないが、極端な心配症の母にはこう言うしか…他に言葉が出なかった。
軽く支度を済ませ、こっそりと麗香の部屋からアウターを借りると、外へ出て散歩がてら、不動産屋を巡り歩いた。