「同じ空の下で…」
西口に着き、お互いに別の手段で私の部屋へと向かう。
自転車に跨り、瞬へ軽く手を上げると、お互いに各々の路を歩み始めた。
風を切りながら…
清々しさに溢れる5月の風を身体に受けながら、私は私で自分の部屋を目指して、少しだけ上り坂になったその坂をこぎ続ける。
風が目に染みる。
車じゃなかなか通る事のできないような、細い路地を抜け、もしくは近道でもするかのように懸命に自転車をこぎ続け、やっとの事で部屋の近くのコンビニまで辿り着き、私は呼吸を整えながらその店に入り、私の分と瞬の分のアイスを買った。
コンビニからは、もう数秒程度で自分の部屋につく。
アパートの敷地内にある駐輪場に停めると、階段を駆け上った。
「…おっせ~ぞ、艶香。」
玄関の前で、呆れたように、瞬が座って待ち伏せて居た。
その横には、少し小さめの段ボール箱がある。
…これが、例の瞬の荷物か・・・・。
「…ごめん。…まず、入って?」
「お邪魔しまーす♪」
急いで、玄関の鍵を開錠すると、私よりも先に瞬が先に部屋へ上がりこんだ。
私はしぶしぶ瞬の段ボールを抱えて部屋に入り、段ボールを寝室にしている部屋に置いた。
「喉渇いた…。」
呟きながら冷蔵庫を開けミネラルウォーターを取り出すと、そのまま口づけ、一気に飲み干す。