「同じ空の下で…」

「俺にも頂戴?」

気が付けば、瞬はソファーに寝転んで私を上目使いで見ながら手を伸ばしていた。

もう一つ、ペットボトルを取り出すと瞬に渡す。


飛び起きて、瞬も同じように喉を鳴らしてミネラルウォーターを半分くらいまで飲んだ。

「艶香、アプリの招待メール送るよ。」

「あ!そういえば、そうだったね!」

バッグを探り、急いでスマホを取り出すと瞬の横に座った。


数秒もしないうちに、その招待メールが届き、私は、瞬に教えられながらそのアプリをスマホにインストールした。

「試しに、使ってみるか?」

「うん。やってみる♪」

瞬は、わざと私に見えないように体勢を変えると、またいつものように悪戯を企てる顔をしながら、スマホをいじり始めていた。

短い通知音と振動が自分の手に伝わり、私はまたスマホ画面を見た。



『幸せですか?』


「…な、何を突然…。」

「早く返事返してよ~」


駄々をこねるように口を尖らせている、瞬。

少し考えて、返事を返す。


『幸せじゃないよ。』

『なんで?』

『大好きな人が遠くに行くから。』

『大好きな人って、誰?』

私は少しだけ瞬を睨む。
瞬はニンマリと余裕の笑顔で私に返す。

『岡崎 瞬。』

こっちは少しだけ胸をドキドキさせながら、ドギマギしながらこのメッセージを打ってるというのに受け取って、既読してるはずの瞬は顔色一つ変えずに居る。


『嬉しい。俺も英 艶香が大好きだ。口に出して言いたい!』

『…言えば?』


「艶香、大好き。」
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