「同じ空の下で…」
シガーケースを取出し煙草に火をつけると、窓の外に目をやった。
タケルも同じように煙草を咥えると、火を点けた。
「タケルが言った通り、私…痩せた…。」
「…分かるよ。見てすぐ分かった。ま、肥えるよりはいいかっ♪」
「…ご飯がね、一人で食べるご飯てさ、美味しくないんだよね…。」
「…料理の腕を磨けばいい…。そういう事じゃなくて?」
「…ま、それもあるのかも。…料理教室でも通おうかな…。」
「今の艶香には、そういうのもいいのかもな…。あれから…瞬から連絡は?」
私は首を横に振った。
そして煙草を深く吸い込んだ。
「…そっか。でもまだ行ったばかりだし、あいつもあいつなりに忙しいんだよ、きっと。」
「そうだね。…このまま、ずっと連絡来なかったりして…。」
「んな訳ないな。必ず、艶香には連絡すると思うぞ?今はその時期じゃないだけだよ。…必死に…頑張ってるんだろうな…。」
「…元気に…してるかな、瞬…。」
容赦なく雨が叩きつける窓ガラス。
空が全く見えない…。
「…飯ならいつでも俺が、付き合うよ。…だから、ちゃんとご飯食えよ?こんな事聞いたら、瞬だっておんなじ事言うと思うぞ?一人で食べるのが美味しくないなら、連絡ちょうだい?友達として、付き合ってやるし。料理作っったなら味見に行くし、だめだしもするし…。」
「…ありがとぉ。…多分、一時的なもんだから…すぐ食べれるようになるよ…」
「…病的なやせ方だけは、するなよ?余計な心配かけさせんなって。」
「…はい。」