「同じ空の下で…」

「…自分で言えって、じゃ、誰に言えばいいのさっ?」

…ま、それもそうか…。

私は口を噤むと、何食わぬ顔をしてまた外に目を向けた。

ここで、里奈の名前をあっさり出す訳にはいかない…。


そうこうしているうちに注文した料理が運ばれてきた。

答えに行き詰まり、話が途絶えてたので、絶妙なタイミングだった。

タケルは、網の上にお肉を並べると、相変わらず気持ち良い程の勢いでご飯を食べ始めた。

私はというと、久々に人とご飯を食べてるっていうのに…、少しずつご飯を口に運びながら食べ始めた。

「…相変わらずだなぁ。ほらっ」

焼けたお肉をどんどん私のお皿に乗せて行く…タケル。

「タケル、自分で食べて?私はそんなに食べないから~」

「…痩せた分、取り戻しなさいっ!」

タケルは私を睨むようにしながら(ちゃんと目は笑ってるので本気で睨んでる訳じゃないのはよく分かるんだけど)程よく焼けジュワジュワと音を立てるお肉達をドンドン私の皿の上に積み上げて行った。

タケルのペースに押されながら、久々に『人と食べる夕食』を満喫する。

店を後にする頃、さっきまでの激しい豪雨まるで無かったかのようにやみ、西の空はうっすら明るくなっていた。

「タケル、ご馳走様です♪」

「どういたしまして♪」

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