「同じ空の下で…」

香ばしく焼けたトーストと、程よく甘いミルクティで自分の体と脳を目覚めさせ、冷蔵庫の余り物で作ったサラダと程よい固さのブロッコリーに、珍しくど真ん中に黄身が乗った目玉焼き…。

土曜の朝なのに、珍しくしっかりとした朝食で、ゆっくりとご飯を食べる。


ちゃんと食べなきゃだめだと言ったタケルの言葉を思い出しながら、テレビに映し出される今日の天気予報に耳を傾ける。


日本列島は梅雨前線に覆われて、午前の降水確率は60%だと言うけれど…

…瞬、アメリカの空はどうですか?


サラダを口に運ぶ手を止め、視線は窓の外へ。

寝起きの時と同じ、厚いグレー色の雲が空一面を覆っていて、相変わらず優しく降り注ぐミスト状の雨がグレー色の外に降り注いでいた。


ぼんやり外を眺めながらの食事を終え、歯を磨くと、掃除機を片手に部屋の掃除を始める。

開け放った窓から時折部屋の中に入ってくる空気は、どこか土の匂いを漂わせながら、私の部屋の中を浄化していった。

外に干せる訳のないだろう洗濯物をリビングの隣の部屋に欲すと、一旦ソファに腰を下ろし、スマホの画面を眺めた。

時刻を見れば、午前10:52。

瞬が電話をくれるであろう時間まではまだまだ時間があった。

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