「同じ空の下で…」

軽く化粧を施し玄関先で傘を広げて外階段をスニーカーで降り、雨の日だというのに外出をしてみる。

・・・・部屋の掃除、洗濯などの家事を済ませ何もする事もなく部屋の中に居ると落ち着かなかった。
だから、外出を決めた。


雨の中って言っても、この霧のように降る雨は肌にあたるとなかなか気持ちの良いもので、少しだけ癖になる。

目的もなく、散歩しながら路地を歩けば、クレンの木が植えられていた家のフェンス越しに、ピンク色や空色の紫陽花が見え、癒された。

水を湛えた花や草木は…イキイキとしていた。


駅の改札を通り抜け、電車に乗り込む。


通勤時とは違ったゆったりと乗る電車の車内は、リュックサックを背負った学生や子供連れが乗車している。
何となく…会社方面への電車に乗り込んだ私は、いつもはつり革につかまっているのだけど、空いてる席を見つけると、そこに座った。


いつも降りる駅で降車すると、会社の近くの公園をいつもより1/2の速さでゆっくりと歩いてみた。

今日は…目的もなく歩く日であったとしても、いつもの景色とは違って見えるいつもの場所を歩くものなかなか楽しいものだった。

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