「同じ空の下で…」
部屋に着き、買った物を冷蔵庫に納めるとヘッドホンをスマホから外し、充電器に差し込んだ。

ふと、キャビネットの上を見ると、幸せそうな顔をしたあの日の私と瞬が居る。

暫く見入って、込み上げて来る切なさと愛しさを感じて、目線をそらして俯いた。

大好きじゃ足りない位の…彼への想い。

優しい笑顔、癖のある笑い方、低音で私の名
呼ぶ声。

色々な瞬を思い出してしまい、危うく泣き始めてしまいそうになった時…


静まり返る部屋に着信音が響いた。


少しだけ、鳴っているスマホを凝視して、慌てるように電話に出た。

まぎれもない、瞬からの着信。

手が……少しだけ震える。

震えを抑えるように、もう片方の手を添えた。



「…もしもし?」


「Good afternoon,tsuyaka.」


「………しゅ……ん?」


「はい、俺です。」


懐かしい声と私を呼ぶ響きに、さっき抑えたはずの涙腺が、一気に緩んだ。


「……しゅ…ん……!」

「………んだよ、泣いてるの?」

「……泣いてないよぉ。」


「嘘つけ!バレバレだ。……ちゃんと寂しくないフリして下さいよぉ~」


嘘ついたってバレバレな私を…電話の向こうの瞬は…優しく笑った。
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