「同じ空の下で…」

翌朝は、昨日とは全く違った朝だった。

昨日までの分厚い薄曇りの雲は、どこへいったのか…。


寝不足気味な瞳を無理矢理開けると、窓の向こうには青空が拡がっていた。


もう一度固く目を閉じて二度寝を試みるが、人間というものは光で目が覚めてしまうらしい。

私の脳は、また休もうなどとは考えずに、むしろ清々しく目覚めたかのように働き始めた。

脳は起きてるが…体がついていかない状態で、しばらく、ベッドの上でタオルケットに包まって微睡んでいた。


♪~♪~♪~…


枕元で鳴り響く着信音。


寝返りを打って、ゆっくりと画面を見ると由美からの電話だった。


「…もしもし~?」


「…あれ、寝てた?」


「…う~ん…、半分…。どしたぁ?」


「ねぇ、急になんだけど、今日、予定は?」


「…特には…。」


「なんかね、皆でバーベキューしないかって。艶香、どう?」


「…う~ん…。」


バーベキューなんて言われても、寝起きの私はいまいちピンと来ない。

まだ、お肉をお腹に入れたくない状況であるのは、確かだ。


「由美は?行くの?」


「うん、まぁ…。あ、今、蓮と一緒なんだけど…。」

「あ、そか…。」

< 335 / 646 >

この作品をシェア

pagetop