「同じ空の下で…」

「結局、いつものメンバーでバーベキューする事になりましたっと。嘉斗と遥人が、向こうで準備してくれてるから。あ、ちなみに、彼女付きだそうで~す。」

蓮は、ルームミラー越しに私を見ながら言う。

「は~い。…あれ、由美、里奈は?」

「…今日は先約があるって。」

「そっか…残念。」

目線を逸らしながら、ちょっとだけタケルを見ると、バッチリと目が合った。

「…何?」

「い…いいえ、何も。」

里奈の話をしながらタケルを見てしまうなんて、小学生じみたその自分の行動…。

しまったっ!と…心の中の私が呟いた。


「あ、そうだ…!タケル…」


前の席で楽しそうに話している由美と蓮を確認すると、タケルに小さな声で、昨日、瞬から連絡があった事を報告した。

タケルは、驚きながらも、いつもと変わらない柔らかくて優しげな笑顔で控えめに笑い、


「良かったじゃん!」


と、小さな声で言った。

私はタケルを見据えると笑顔を返した。


「…元気そうだった?」


「うん。なんか、ずっと忙しかったみたい。」


「…だから、言ったろ?あいつは必ず連絡してくるって。」


「そうだね。タケルの言う通りだった。」


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