「同じ空の下で…」
「スポンサー廻りだけど、2人一組で廻ったほうがよくないか?一人ってのはどうも…何があるか分からない。一人で挨拶して、たとえばその場で出資金なんてもらったらどうすんの?…信用しないわけじゃないけど、そのまま金を持って逃げる奴とか・・・・いないとも言い切れない。そう思わないか?」
遥人がタケルに話しかける。
「そうだな…、二人の方がいいかもなぁ。一人が失敗して相手の機嫌損ねたとか、充分あり得るもんな。ちょうどフォローに回れる方が、いいかもしれないな。ハルが言うように、金銭的な面も無(な)きにしも非(あら)ず…だもんな。」
「よし、じゃあ、決定。さて・・・・嘉斗、どうやって組決める?」
「くじ引きでいいんじゃね?」
「だな。とりあえず、ここに居る人数で組、決めるか~」
そういうと、コピー用紙を適当に切り裂き、簡易的なくじ引き箱を作り、当初のメンバー(+協力的な同級生4人)、総勢10人でくじをひいた。
私が引いた番号は3。
「3番は?」
私は周りをぐるりと見渡し、更に皆もきょろきょろするけど…、誰一人3番を引いた人は居なかった。
「あれ?じゃ、一個残ってるコレかな?瞬の分の…」
「え゛…」
「ほんとだ、これが3番だ。じゃ、艶香と瞬…だな。」
自分のくじ運の悪さを恨んだ。
最悪だ・・・・。よりによって瞬とは…。瞬の他なら誰でもいいのに…。
「瞬、今日はなんだか用事あるって言ってたな。」
「したら、艶香、自分で連絡しとけよ?二人が都合いい日に、このリスト廻ってもらうから。瞬の連絡先、わかるよな?」
「…うん、わかる。…連絡、しとくよ。」
リストを渡され、肩をがっくりと落として、力なく私は嘉斗に返事をした。
苦手な苦手な瞬だけは…勘弁してほしかった…。
まさに、ハズレくじをひいた気分だった。
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